『出獄』(1948年)
"Call Northside 777" 監督ヘンリー・ハサウェイ。
実際に起きた事件に基づいた「ドキュノワール」。ジェームズ・スチュワートが、シカゴで11年前(1932年)に起きた警官殺し事件で容疑を掛けられ収監されたポーランド系移民フランク・ウィチェック(リチャード・コンテ)の事件を調査し、ついにはウィチェックの無実を証明する新聞記者を演じる。
映画中に出てくる刑務所は、恐らくイリノイ州にあるStateville Correctional Centerだろう。ジェレミー・ベンタムのパノプティコンに基づいて設計された刑務所で、フーコーの『監獄の誕生』の英語版ではこの刑務所の写真が使われている。
この映画のあからさまなテクノロジー賛美の傾向と関係しているかもしれない。
ヘレン・ウォーカーがジェームズ・スチュワートの妻役を演じている。この人にしては珍しく悪女でなく家庭的な役だ。