2007-12-01から1ヶ月間の記事一覧

『地獄の英雄』(1951年)

"Ace in the Hole" 監督ビリー・ワイルダー。 タブロイド・ジャーナリズムやメディア・サーカスを題材としながら、主人公とファム・ファタルの描写および陰影の効いた映像においてまぎれもなくフィルム・ノワールの刻印を持つ映画。その扇情的なジャーナリズ…

『ジャズ・シンガー』(1927年)

"The Jazz Singer" 監督アラン・クロスランド。 サイレントとトーキーを橋渡しするヴァイタフォンの代表的映画だが、その技術的ぎこちなさ、二つの違うシステムがむりやりひとつにまとめ上げられている点がかえって魅力的といえるかもしれない。後半あらわれ…

『君去りし後』(1944年)

"Since You Went Away" 監督ジョン・クロムウェル。 第二次大戦中に出征した夫ティムを待つ妻アン(クローデット・コルベール)とその二人の娘ジェイン(ジェニファー・ジョーンズ)とブリッグ(シャーリー・テンプル)を中心に描くメロドラマ。3時間近い大…

『影なき男』(1934年)

"The Thin Man" 監督W・S・ヴァン・ダイク二世。 ウィリアム・パウエルとマーナ・ロイが探偵夫婦を演じているのだが、一方で後のフィルム・ノワールを予見しつつ、他方でスクリューボールコメディにもなっていてジャンル的に区分のしづらい映画だ。原作者…