2006-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『殺人者』(1946年)

"The Killers" 監督ロバート・シオドマク。 ヘミングウェイの原作では、食堂に二人の殺し屋がやってきて、標的の男スウィード(バート・ランカスター)を待つが、彼はやって来ず、偶然食堂に居合わせたニック・アダムズがスウィードの下宿に知らせに行くもス…

"Zizek!"(2005)

学校の上映会で観る。観客は20人ほどだった。 ジジェクがべらべらとまくし立てる様子をずっと見せられるんだろうなとなんとなく想像して見に行ったのだが、よくも悪くも予想を裏切らないものであった。途中途中でジジェクの著書からの引用が画面に映し出され…

"Detour" (1945)

監督エドガー・G・ウルマー。 ヒッチハイク中になぜか二人の人物の死に巻き込まれてしまった男の話。『拳銃魔』(1949年)と並ぶB級ノワールの傑作として記憶されるべき作品ではないかと思う。 ネヴァダの安食堂でのアル・ロバーツ(トム・ニール)の回想…

"They Drive By Night" (1940)

監督ラオール・ウォルシュ。 面白い。 長距離トラック運転手として組んで仕事をしている兄弟、ジョー(ジョージ・ラフト)とポール(ハンフリー・ボガート)は、他人の下で働くのがいやになり、自分たちで仕事を始めるが、仕事が順調に廻りだしたある夜、ポ…

『フィラデルフィア物語』(1940年)

"The Philadelphia Story" 監督ジョージ・キューカー。 ケイリー・グラントとキャサリン・ヘップバーンとくればロマンティック・コメディの王道のような配役だが、この映画がこのジャンルの他のものと少し違うのは、ヘップバーンと十分に結びつきうる男がも…

『黄金』(1948年)

"The Treasure of Sierra Madre" 監督ジョン・ヒューストン。 ボガートもいいけど、監督の親父さん、ウォルター・ヒューストンが圧倒的な存在感を発揮。ボガートが水溜りで水を飲んでいると盗賊の姿が水面に映って気付くというのは、フォークナーの『サンク…

『牛泥棒』(1943年)

"The Ox-Bow Incident" 監督ウィリアム・ウェルマン。 西部劇だと思ってると肩透かしを食らう。でも面白い。冒頭のヘンリー・フォンダと相棒が酒場にかかった安っぽい絵画に見入る場面から、ただならぬものを感じさせる。 1885年ネヴァダ州。殺人の疑いをか…

『白い肌の異常な夜』(1971年)

"The Beguiled" 監督ドン・シーゲル。 あんまり表立って好きだというのはちょっとはばかられるけど、抗しがたい魅力を持つ映画とはこういうのをいうんだろう。南北戦争中、北軍の伍長ジョン・マクバーニー(クリント・イーストウッド)は南部の森の中でひと…

『熱い夜の疼き』(1952年)

"Clash by Night" 監督フリッツ・ラング。 満たされない欲望を抱く妻とお人よしの夫、そしてこちらも満たされていない粗暴な男との三角関係を扱っていて、お話自体はソープオペラかと思うほど陳腐なものだ。でもそこはフリッツ・ラング、ドキュメンタリー風…

『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』(1956年)

"Invasion of the Body Snatchers" 監督ドン・シーゲル。 眠りに落ちた瞬間に体ごとのっとられてしまうというのなら、そもそも繭から産まれるクローンの体はいらないはずだろうというつっこみも可能だけど、一種のフィルム・ノワールとして観るのなら十分楽…

『群衆』(1941年)

"Meet John Doe" 監督フランク・キャプラ。 面白い。放浪者からマスコミによって国民的アイドルに祭り上げられる男の話。クリスマス・イヴにNYの市庁舎から飛び降り自殺すると予告したジョン・ドーなる人物を演じるべく雇われた放浪者ウィロビー(ゲイリー…