2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『ハイ・シエラ』(1941年)

"High Sierra" 監督ラオール・ウォルシュ。 前年の"They Drive by Night"に引き続き、ウォルシュ、ハンフリー・ボガート、アイダ・ルピノの組み合わせで作られ、ボギーがはじめて主役を張った映画。同年の『マルタの鷹』とあわせてボギーはこれ以降大スター…

『暴力団』(1955年)

"The Big Combo" 監督ジョセフ・H・ルイス。 ギャング団のボス・ブラウン(リチャード・コンテ)とその愛人スーザン(ジーン・ウォレス)、スーザンに職権以上に執着する刑事ダイヤモンド(コーネル・ワイルド)。ここではなにもかもがミニマルかつ過剰だ。…

『Gメン対間諜』(1945年)

"The House on 92nd Street" 監督ヘンリー・ハサウェイ。 ドキュメンタリー調のフィルムノワール、いわゆる「ドキュノワール」のはしりと言われる作品。41年の真珠湾攻撃の前後の時期を舞台として、米国の軍事機密をめぐるドイツとFBIの駆け引きが焦点と…

『ショック集団』(1963年)

"Shock Corridor" 監督サミュエル・フラー。 精神病院の様子の描き方がアナトール・リトヴァクの『蛇の穴』(1948年)に似ている。恐らくフラーは参考にしたのだろうと思うけれども、違うのは、主人公を女性から男性に代えていること、そしてなによりも、『…

『復讐は俺に任せろ』(1953年)

"The Big Heat" 監督フリッツ・ラング。 殺人事件の捜査をしていた刑事が、事件の核心に迫りすぎたために妻を殺され、停職の身になりながらも事件を解決するという話。50年代のノワールらしく、犯罪の起こる領域が家庭領域に侵犯していくのが興味深い。妻が…

『暗黒の恐怖』(1950年)

"Panic in the Streets" 監督エリア・カザン。 ニューオリンズの衛生局医師リチャード・ウィドマークと刑事ポール・ダグラスが対立しながらも、殺害された肺ペスト患者の殺人犯ジャック・パランスを探すというノワール調の映画。より大きな仕事を夢見て平凡…

"The Women"(1939年)

監督ジョージ・キューカー。 1937年初演の舞台を映画化。結婚をめぐるスクリューボールコメディだけど、同ジャンルの他のものと違うのは、登場人物がすべて女性ということだ。話が展開するのが主に女性同士のダイアローグによってで、男は電話の向こう側か、…

『黒蘭の女』(1938年)

"Jezebel" 監督ウィリアム・ワイラー。 1850年代初めのニューオリンズを舞台とした『風と共に去りぬ』(39年)に近い「南部もの」メロドラマ。ベティ・デイヴィスは『風と〜』のスカーレット役の代わりにこの役を与えられたそうだが、冒頭で彼女が馬にのって…

『美しき冒険旅行』(1971年)

"Walkabout" 監督ニコラス・ローグ。 前にこの映画をみたことがあるかもしれない、そう思ったのは、砂漠をさまよう女の子とその弟が、アボリジニの少年に遭遇してすぐ後の場面、アボリジニの少年の股間のショットに続き、女の子がアボリジニの少年と一緒に木…

『東京暗黒街・竹の街』(1955年)

"House of Bamboo" 監督サミュエル・フラー。 『情無用の街』(48年)のリメイクだが、画面はフルカラーのシネスコになって、舞台を東京に移し、ドキュメンタリー調の部分はなくなって、そのかわり潜入捜査員(ロバート・スタック)と殺されたアメリカ人の日…