2006-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『歴史は女で作られる』(1955年)

"Lola Montes" 監督マックス・オフュルス。 実在した19世紀のセックス・シンボル、ローラ・モンテス(1821-61)の生涯。バイエルン王ルートヴィヒ一世の愛人からアメリカのサーカスの見世物にまで身をやつしたローラ(マルティーヌ・キャロル)は、サーカス内…

『回転』(1961年)

"The Innocents" 監督ジャック・クレイトン。 ヘンリー・ジェイムズの『ねじの回転』(1898年)の映画化。脚本はトルーマン・カポーティ(+ウィリアム・アーチボルド)。語り手の女家庭教師(この映画版ではミス・ギデンズと呼ばれている)をデボラ・カーが…

『Tメン』(1947年)

"T-Men" 監督アンソニー・マン。 二人の財務省調査官(T-Men)、デニス・オブライエン(デニス・オキーフ)とトニー・ゲナーロ(アルフレッド・ライダー)が偽札密造組織へ潜入捜査するさまを、おもにデニスの視点からドキュメンタリー風に描く。お話自体は…

『毒薬と老嬢』(1944年)

"Arsenic and Old Lace" 監督フランク・キャプラ。 とても面白い。この時代のコメディの定番である結婚騒動を枠組みとしながら、メインの部分は死体をめぐるドタバタ劇で、恐怖映画のパロディにもなっている(しかもパロディにしては、すばらしく良い出来の…

『キー・ラーゴ』(1948年)

"Key Largo" 監督ジョン・ヒューストン。 『化石の森』(1936年)でアリゾナの安食堂に人々を軟禁するギャングの役をやっていたボギーが、ここでは逆に、ギャングによってフロリダ最南端のホテルに軟禁される役をやっている!ボギーとローレン・バコールの共…

『堕ちた天使』(1945年)

"Fallen Angel" 監督オットー・プレミンジャー。 『ローラ殺人事件』(1944年)に続き、プレミンジャーがデイナ・アンドリューズと組んだノワール。映画は、エリック・スタントン(アンドリューズ)が、西海岸の小さな町ウォルトンで、運賃不足のため、サン…

『血を吸うカメラ』(1960年)

"Peeping Tom" 監督マイケル・パウエル。 映画と殺人と性愛の間に取り結ばれた関係をここまで鮮やかにフィルムに定着させてみせたマイケル・パウエルに敬礼。映画のほとんどの場面は映画を撮影するか見ている場面のヴァリエーションで、欲望がサディズムへ、…