2006-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『郵便配達は二度ベルを鳴らす』(1946年)

"The Postman Always Rings Twice" 監督テイ・ガーネット。 81年のボブ・ラフェルソンのアメリカン・ニュー・シネマ的な映画化を見てからこっちを観ると、フィルム・ノワールがいかに様式美の世界なのかを痛感する。ラナ・ターナーの登場の場面、転がってき…

『白昼の決闘』(1946年)

"Duel in the Sun" 監督キング・ヴィドア。 タイトルからすると西部劇のようだが、むしろ『風と共に去りぬ』(1939年)のような南部を舞台にしたメロドラマに近い(トレイラーから判断するに製作のセルズニックは明らかにそれを意識していた)。『風と〜』を…

『新婚道中記』(1937年)

"The Awful Truth" 監督レオ・マッケリー。 30年代スクリューボール・コメディの傑作。前半はケイリー・グラントがアイリーン・ダンの再婚を邪魔するのだが、ここでのグラントは奇跡的なくらいまったく邪気を感じさせなくて最高。ラルフ・ベラミーとの組み合…

『情熱の航路』(1942年)

"Now, Voyager" 監督アーヴィング・ラパー。 面白い。ベティ・デイヴィスが母親から抑圧されたためにオールドミスとなってしまったボストンの資産家の娘シャーロットを演じていて、シャーロットが医者の助けを借りて変身を遂げ、ヨーロッパへ船出し、船上で…

『化石の森』(1936年)

"Petrified Forest" 監督アーチー・メイヨ。 この手の、ひとつの場所になぜか人が集まってきて繰り広げるという群像劇には弱い。アリゾナの「化石の森」近くのカフェ兼ガソリンスタンドに、パリで人生に飽き飽きし、ヒッチハイクで放浪しているイギリスの作…

『天はすべて許し給う』(1955年)

"All that Heaven Allows" 監督ダグラス・サーク。 冒頭の水色の車の色彩の鮮やかさにまずいきなり驚かされる。全編を通して色の訴求力が際立っていると思ったら、撮影監督はホークスやウェルズの映画にも関わっているラッセル・メティという人だった。ジェ…

"Slacker"(1991年)

監督リチャード・リンクレイター。 基本的にほとんどプロットがなく、ただ登場人物の話で成り立っているという点で、間違いなく『ビフォア・サンライズ』や『ビフォア・サンセット』の原型なんだけど、舞台がテキサス州オースティンで、本物のスラッカー(日…

『失われた週末』(1945年)

"The Lost Weekend" 監督ビリー・ワイルダー。 『酒とバラの日々』(1962年)や『リービング・ラスベガス』(1995年)に連なるアル中映画の先駆で、レイ・ミランドの演技も確かに素晴らしいけど、映像効果のほうにむしろ見るべきものが多くある。自分で電灯…

『アメリカン・ビューティ』(1999年)

アメリカン・ビューティー [DVD]出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン発売日: 2003/07/25メディア: DVD クリック: 5回この商品を含むブログ (27件) を見る↑のようなことを考えてしまうのは、アメリカン・コメディが郊外の白人中産階級のフ…

『アメリカン・パイ』(1999年)

アメリカン・パイ [DVD]出版社/メーカー: ポニーキャニオン発売日: 2004/01/21メディア: DVD クリック: 12回この商品を含むブログ (58件) を見るこの映画は確かにくだらない。でも、クライド草津が高校の英語教師役で『ヘンリー四世』を教えていたりと思わず…

『拳銃貸します』(1942年)

"This Gun for Hire" 監督フランク・タトル。 これはいい。わずか80分の間に凝縮された殺し屋の逃亡劇。ある科学者の暗殺を依頼された殺し屋のレイヴン(アラン・ラッド)は、首尾よく仕事を成し遂げるが、報酬としてもらった金がいわくつきで、そのため警察…

『Beauty and the Geek』

TV

面白い番組を発見。7人の美女と7人のおたくがペアを組んで、$250,000の獲得を目指すというリアリティ・ショウ。ペアは一緒のベッドに寝て、美女には知的能力を試す問題、おたくには社交的な課題が課せられるというもの。去年の番組だが現在再放送されていて…

『彼奴(きやつ)は顔役だ!』(1939年)

"The Roaring Twenties" 監督ラオール・ウォルシュ。 面白い。第一次大戦後から「怒涛の20年代」そして大恐慌までの禁酒法下の米国を、退役軍人のエディー(ジェイムズ・キャグニー)の成り上がりを通して描く。キャグニーはいつもどおり自分より背が高い男…